神経刺鍼の鎮痛機序とは
神経傍刺鍼(しんけいぼうししん)の作用メカニズムは神経本幹や血管を圧迫する筋肉内に直接刺鍼をすることで、軸索反射と共に血流の改善がみまれます。更に大腰筋及び梨状筋への刺鍼は、筋内受容器からの刺激が、反対側の視床下部前部に伝えられ、その視床下部が反射中枢となり、交感神経に含まれるコリン作動性神経を介する「体性-自律性反射」を引き起こすことがわかってきました。腰臀部筋に行った神経傍刺鍼は、この反射により下肢筋群の血流の改善がおこり、坐骨神経痛に対する痛みの改善にも非常に有効です。
これはブロック注射と同様の発想で、坐骨神経痛治療の約70%以上に効果があるとされている。
痛みの悪循環
痛みの発症→痛覚閾値の低下→筋肉の過収縮→発痛物質の産生
鍼灸をすることで
神経刺鍼の刺激→筋緊張の緩和→痛覚閾値の上昇→痛みの改善
大腰筋 L4神経根パルス
刺鍼部位
ヤコビー線の高位で、L4棘突起と腸骨稜の中間地点、3寸5番を使用し、6.5cm刺入する。
以下の文献を参考にしました。
・伊藤和憲:いちばんやさしい痛みの治療がわかる本
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