東洋医学(治療院)と西洋医学(病院)の役割の違い
まずは、私たちがこれまでの生活上でイメージしやすい西洋医学(病院)の役割というか、とらえ方についてお話します。
私たちが、病院に行く時は、風邪をひいた、お腹が痛い、頭が痛い、ケガをしたなど、なにか明確な症状がある時だと思います。そして、西洋医学では、症状に対して、薬が処方され、または、リハビリや手術を受けることになると思います。逆に言えば、何も症状がなければ、経過観察になると思います。
一方で、東洋医学(治療院)はどうでしょうか。やはり、西洋医学のイメージに引っ張られて東洋医学でも、症状がないと行かないのではないでしょうか。それ以上に、西洋医学で改善がなかったから、新しい治療方法を試してみたいと症状が悪化した後、もしくは、症状が出てだいぶ時間が経過した後(慢性化)に鍼治療を受けるケースが多いように思われます。これも、一つの利用方法だと思います。しかし、東洋医学には西洋医学と同じ利用のしかたでは、本当の東洋医学の可能性をひきだせていません。
本来の西洋医学と東洋医学との根本的な違いは、東洋医学は予防医学だということです。
病気の前には、必ずといっていいほど、不明確な体調の変化があります。例えば、疲労感が翌日まで残る。夜、寝られない。だるさが常にあるなど、なんとなく不調が続くことがあるようです。この時に、東洋医学を受けておくと、大きな病気にならずに済むことがあるかもしれません。このような初期の初期、前兆を治療することができるのが東洋医学です。
また、一般的に東洋医学というと、顔には鍼を受けたことがあるが、体にはないというように、今では、美容鍼灸の方がメジャーになりつつあると思います。東洋医学は、予防医学であり、アンチエイジング(組織の若返り、または、活性化)の効果が期待できます。それは、なにも顔の肌艶だけではなく、体に鍼治療を受ければ、体も同様にアンチエイジング効果が期待できるということです。
東洋医学(治療院)は、予防医学で、初期の初期の、前兆のような体調不良の改善が期待できる。そのため、40歳以上になったら、月に1回、体のケアのために鍼治療を受けましょう。
三焦鍼法の紹介
三焦鍼法とは、「三焦気化失常ー老化相関論」という古典に基づいて開発された鍼治療で、上焦(血液循環・呼吸)、中焦(消化・吸収)、下焦(代謝・生殖器)の気を動かし、血を整え、体全体の体調を将来的に改善させる目的で行う治療方法です。
三焦鍼法で刺すツボ
外関(がいかん)
足三里(あしさんり)
血海(けっかい)
気海(けっかい)
中かん(ちゅうかん)
だんちゅ
この三焦鍼法は、(一社)老人病研究会で提唱されている鍼治療です。
予防医学としての鍼治療で定評があります。
ぜひ、40歳以上の方の体のケアに鍼灸治療を取り入れてみてはどうでしょうか。
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